美容効果を期待するには美容成分が浸透しないとっ!!
製剤開発をしていて日々疑問に思う事はがあります。
化粧品は「薬」じゃないけど、ユーザーの求めるものは美容効果なんだ。
何とか効果のあるアイテムを作って、顧客のニーズを奪いたい!!
いつも何かしら自分なりにコンセプトを設定し、美容成分を配合して評価する。
価格が厳しい案件でも、1つぐらいはメーカーの提示する推奨濃度を
配合するように心がけているのです。
原料メーカーの営業担当は、製品のリーフレットを持ってきて
美容の効果を示すエビデンスを提示しながら原料の売り込みをしてきます。
私はいつも半信半疑、
本当に効果があるんでしょうか、第一どうやって皮膚内部に入り込むのか・・・
どうもいまいち説得力に欠けるんですね。
植物エキスメーカーへ 浸透について聞いてみた
エキスのことはエキスのプロに聞け。。
ってことで、聞いてみました。
植物エキスは塗っても弾かれて浸透してないように見えますがどうなのでしょうか。
例えばこの植物のエキスですが、成分の構成として
「主剤の植物エキス、 BG、 水」について・・・
この構成だと、植物エキスを水、あるいはBGで抽出したものになります。
でも、溶媒である水やBGってのは、肌に塗っても弾いて乾くか
滴り落ちるだけでした。
これって浸透してるって言えるのでしょうかね。
すると、担当者は答えました。
はい、美容成分はちゃんと吸収されます。
当社原料は、有用性の評価をして成果の出たものを
お客様にご提案しております。
視覚的に入っていないように思えても、
一部だけでも吸収はされています。
吸収のしやすさについては、成分の分子量と親水性、親油性が
大きく影響します。
健康な肌への浸透が可能なのは分子量1000程度となってます。
皮膚のバリア機能により阻害されるからです。
逆に、皮膚に炎症やアトピーなどのトラブルがある場合は、
浸透がしやすく何十倍も大きな分子の成分でも
入り込む可能性があります。
「茶のしずく石鹸」で問題となったアレルギー成分の小麦タンパク質は
分子量が20000と、巨大な分子が入り込み問題を発生させました。
また、浸透は細胞間脂質で行われるもとの考えております。
脂溶性の有用成分は比較的入りやすいと考えられてます。
分子量が500程度まで小さくなると、真皮まで浸透する可能性があります。
真皮に到達するには基底膜を通る必要がありますが、
そのフィルターが分子量で500ぐらいからということになります。
水溶性の成分は、水に運搬されて吸収されます。
乾いた肌だと、溶媒が蒸発してしまい固形分が表面に残留し代謝によって剥がれます。
水が多い状態であれば、浸透を助けますので、風呂上りのような水を多く含んだ状態で塗布すると効果的であると考えられます。
なるほどね。
確かにコムギアレルギーの話が非常に分かりやすい。
別の人の意見でも、
例えばプラセンタエキスを0.1%で美白の効果が認められている。
メラニン生成の抑制に効くためには確実に吸収されていると言える。
浸透する事実は分かりましたが、タイトジャンクションについては
どのように考えられますか。
タイトジャンクションとは
皮膚のバリア機能の一つで、隣り合う上皮の細胞同士が結びついて、
細胞間に様々な分子が入り込まないように防御する。密着結語と言われる。
腸管の上皮細胞などでは、結合の形を変化させて、選択的に外部の分子を吸収する。
このバリア機能に対して、エキスはどのように作用するのでしょうか。
これについては分からない部分が多いですが
選択的な通過が起きていると考えられます。
アルコールを塗って赤くなる人は、
アルコールが血管まで行き届き拡張が起きていると考えられます。
皮膚の血管は真皮の層までいかないとありませんので
真皮までアルコールが届いていると考えられます。
外用医薬品も真皮に作用するものが多いです。
コムギや白斑などの副作用も、吸収がないと起こりません。
当社の評価試験においては、ヒトでのモニター試験において作用を確認しております。
まとめ
今回はちょっと難しかったかもしれませんので・・・・
簡単に言うと、
作用があれば吸収されている。
吸収されているから作用がある。
原料のメーカーによると、けい皮吸収までの確認はできていないが、
ヒトでのモニタ試験において、作用を確認し評価をしている。
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