接触性皮膚炎・仕事で手が痒くなる人必見 ハンドクリームは油膜力と抗炎症で

仕事してると手が荒れて皮膚がボロボロになる方がいるようです。

肌が弱い方は本当に辛いですよね。力になれたらいいな。

ハンドクリームが頼みの綱ですよね。

さて、どんな商品が良いのでしょう。

ポイントは 油膜の強さと抗炎症 です。

実際に手荒れの改善が見られた例をあげてご説明します。

ハンドクリームでスキンケアする手の画像

ハンドクリームの処方

ハンドクリームもいろいろな種類がありますよね。

処方のタイプで見るとざっ4種類が思いつきます。

固形油のバームタイプ

油がほぼ100%のクリームです。

クリームって水と油を混ぜた乳化物を指すことが一般的なんですが

バームタイプのハンドクリームは水は配合されないものがほとんどです。

最近はワセリンだけみたいな商品も出ていますよね。

天然趣向だと、シアバターとか液状の植物油を蝋の成分で固めたものが思いつきます。

油を直で塗るので油膜力でみればピカイチかもしれません。

OW系乳化タイプ

最も一般的なクリームと呼ばれるものがこのタイプかもしれません。 最近は違うかな・・・・

まずはOWの説明っすね。簡単にお話します。

乳化は水と油を強引にくっつけて混ぜてる状態なんですが

どっちがどっちに混ざっているのかで、性質が違う結果になるんです。

O(oil)  W(water) で OWだと水に油が分散している状態を言います。

水に油を溶かした とイメージすると理解しやすいかもしれません。

外側が水なので、比較的軽い(水っぽい)感じの使用感が得られます。

WO系 乳化タイプ

さっきのOWの逆ですね。

油に水を混ぜたような状態なので、比較的重たい(油っぽい)使用感になります。

油膜力ではこちらの処方の方が高いと思います。

クリームファンーファンデーションとかBBクリームの処方は

基本的にWOの処方で組んだりします。

GELクリーム

水と油を混ぜたものを高分子で固めて乳化を安定させた処方です。

基本的にジェルとそんなに変わらないので水や水系の成分がほとんど配合されていて

軽くてみずみずしいテクスチャのものが多いです。

最初にOWが多いと言いましたが、実はこのGELクリームが最近は多い

ユーザーがさっぱりタイプを好んでいる傾向があるのと、簡単なので誰でも処方が組めるのです。

乳化するって処方を組むの、一番難しいんですよ。

水と油を乳化剤でくっつけて、適度な粘度もだして、分離しないように安定させるんです。

ジェルクリームはゼリーに油を少し入れて混ぜ込めば簡単にクリームみたいになるので、

経験のない技術者でも簡単に処方ができちゃうんですね。

最近はインスタントの原料も多くて、水と混ぜるだけでOWができちゃうモノも多いです。

肌荒れを抑えるために必要なこと

実際あった肌荒れ改善のお話

さて、次に実例をあげてお話しましょう。

身内で最近転職した者がおりまして、手を使って細かい部品を扱う仕事だったみたいなんですが

手が荒れて、痒くなってすごく辛いと相談を受けたんです。

売ってる商品でオススメ聞かれたんですけど、

成分は裏面で確認できても、どれだけ入っているか分からないので、

とりあえず自分で試作を作ってみて評価してもらったんです。

結果は大成功!!  辛い症状がなくてすごく喜んでもらえました。

さらにすごいのが、翌年もお願いされて試作を提供したんですが、次からはそれがなくなりました。

もう必要無くなった、つまり肌荒れしなくなったんですね。

本当に大成功でした。

機会があれば正式に商品化できたらと考えてます。

処方設計のアプローチ

次にどういう風に問題の解決に取り組んだかを説明いたします。

まずは情報を整理しそれぞれ考察しました。

仕事の環境が変わって痒くなった。 → 原因の特定が判断しやすい

症状は冬の乾燥した時期に限定されていた。 → 慢性的なアレルギー症状ではない

部品を触る仕事がメインになった。 → 金属による接触性皮膚炎の可能性を想定

結論: 手袋になるようなベールの強いクリームが良い。

処方タイプとしては油膜の強いベール感のあるもの

バームだと油が多すぎて部品に油がついちゃうので仕事に支障がある

やっぱり WO 乳化タイプで必要以上に油を残さないもの かつバリアが強いもの

さらに、症状を予防する意味で抗炎症成分を適度に配合しました。

油はシリコンを採用、さらにグリチルリチン酸とGPIで炎症対策です。

シリコンってのは風評がありますが、全然悪いものじゃありません。

メイク系の処方では当たり前のように使用されてますよね。

油膜が強くとても取れにくい、サラサラとした独特のある使用感。

シリコンの風評で代替の原料を検討する企業も多いですが、ナンセンスな努力だと思います。

まあ、風評により必要に迫られて仕方がないんですけどね。

でもシリコンは他の油では代用できないくらいの特徴があるってことなんですよね。

合成品なので品質が比較的安定しているのも安心できます。

人気やイメージで商品を選んではいけない

狙い通り問題を解決することができた良い事例から言えること。

何か解決したい問題があって商品を探す場合、

論理的に考えて選ぶと正解を導きやすいんだなと改めて思いました。

今回はシリコンが大活躍しました。

この成分はヘアケア商品などで悪いイメージがついてしまった成分でもあります。

鉱石と石油から作られる原料なので、天然至上主義には当然縁の無い話でしょう。

風評やイメージを判断基準にしてしまうと、このクリームを選ぶ機会は絶対にないでしょう。

まとめ

冬の乾燥する時期には肌荒れに効くハンドクリームが欲しい。

ハンドクリームには処方的に分けて種類が4つある。

使用感の特徴を見て目的に沿って選ぶとよい。

・バーム系:油膜感が強くオイリー、超乾燥肌の人はいいかも

・OW乳化系:水系でソフトな使用感が多いので軽めがいい人にはいいかも

・WO乳化系:油膜感が強く重たい使用感。乾燥肌の人にはお勧めです。

・GEL:水系で油膜感が最も少ないものが多い、油膜が嫌な人にはいいかも

実際に接触性皮膚炎と思われる問題について解決した事例がある。

処方はシリコーンを基剤としたWOクリーム、抗炎症剤を配合し予防を狙た

冬の時期に数シーズン使用することで、症状の改善と発症しなくなる結果が得られた。

NG成分天然至上主義のような風評・イメージを先行して商品を選んでいては

本当に自分にとって必要な製品とは出会えないかもしれない。

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