化粧品の保湿と言えば誰もが知っているヒアルロン酸
様々な商品に採用されている成分だと思います。
「この原料は保湿のために入れましょう・・・・」
ただ入れているだけの商品ではダメなんですね。
原料の性質を活かした設計のモノじゃないと、保湿の効果が全然違います。
ヒアルロン酸は様々な性質を付加された誘導体として
加水分解・カチオン・立体構造・アセチル化・・・などの
原料開発がされていて、物性的に分けても種類が豊富なんですが、
今回は最もメジャーで単純なナトリウム塩 「ヒアルロン酸Na」に焦点を絞り
性質を見ながら説明したいと思います。
ヒアルロン酸とは
化学的にはムコ多糖類の一種ということですが、お砂糖の仲間です。
糖類ってそもそも水と仲が良くて、吸湿する性質があるんです。
ヒアルロン酸はその性質がずば抜けて高いもので
原体1.0g量に対して水を6Lも抱えることができると言われています。
なんか想像がつきませんよね。6000倍ですよ
体内にもたくさん存在する成分で、細胞間の保湿や関節の潤滑など
重要な役割を担っている成分です。
ドライアイの時に処方される目薬に「ヒアレイン」という薬がありますが
あれの主成分もヒアルロン酸なんですね。
健康食品でも販売されており、安全性はお墨付きです。
低分子のヒアルロン酸を使っているところが重要
化粧品でよく利用されるのは、ナトリウム塩として誘導体化したヒアルロン酸Naです。
表示名称は同じなのですが、大きさが違うのがありまして、ここが重要なのです。
様々な分子量(大きさ) 数百~数百万 の原料があります。
平均分子量が3000のものはナノ化ヒアルロン酸と呼ばれ、浸透しやすいのです。
昔から利用されているものは大きい原料でしたが、
技術の進化で低分子のヒアルロン酸が開発され販売されるようになりました。
原体は粉末で、化粧品工場ではメーカーがあらかじめ水に溶かしたものを使うことが多いんです。
1.0%水溶液ってのが一般的で、原液と呼ばれる製品はこの濃度に近いと思います。
原液だと、濃度が分かっているので安心して使えます。 太陽のアロエ社 ヒアルロン酸原液
また、バリア機能の低下による肌荒れや、保湿をたくさんしたい方は、
低分子量の成分が入ったものを選ぶのが良いです。
さらに、高分子のモノが配合されていると、ダブルの効果でより良いものになります。
マンダムのデータによると、低分子のヒアルロン酸は角質層深部まで浸透し、あれ肌のバリア機能
改善の効果があるということです。
さらに高分子のヒアルロン酸を産生することも分かっているようです。 参考リンク
ヒアルロン酸は水分を抱え込む性質がありますが、蒸発に耐えるものではありません。
ヒアルロン酸液を垂らして放置すれば、水が飛んで原末だけが皮膜として残ります。
角質層のようにあらかじめ水分があり、密閉されて常在する環境において
その水分が保たれるということです。
高分子のヒアルロン酸は皮膚表面のバリア機能の役割を果たします。
表面に柔軟な皮膜を形成し、内側は潤いを保った状態で保持するわけです。
表面のヒアルロン酸は、洗顔や摩擦でどうしてもはがれていくので
できるだけこまめなケアをするといいでしょう。
浸透したヒアルロン酸は、ある程度定着しますが、
ターンオーバーにより代謝されていくと考えられます。
しかし、そのサイクルの中でも繰り返しケアすることで、
肌荒れによるバリア機能低下の改善が見込まれます。
さらに高分子ヒアルロン酸産生促進により、内側から補修されることで
肌本来が持つバリア機能が改善されるというわけです。
低分子と高分子の両方を配合したダブルヒアルロン酸原液
分子量の違う両方のヒアルロン酸が入っていて原液濃度であることが分かっていれば
安心して利用できますよね。
まとめ
●化粧品の保湿剤として定番のヒアルロン酸
●糖類の一種で水を多く抱え込む性質がある。
●化粧品をはじめ、食品や目薬のような医薬品にも使用されており、安全な成分である事はお墨付き
●低分子と高分子のタイプがあり、低分子は吸収しやすく角質層内部まで浸透する。
高分子ヒアルロン酸を配合することで保湿のフタをする役割を果たす。
肌荒れによるバリア機能低下の改善と、高分子ヒアルロン酸産生促進のデータがある。
●大小両方を混合する商品がオススメ。
濃度や大きさがわかる原液タイプだと安心して使える。
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